はじめての彫刻刀入門!小学校での彫刻刀の使い方徹底解説
- toyokyozai
- 9月12日
- 読了時間: 6分

初心者でも安心!小学校での彫刻刀の使い方
小学校の図工の授業で、いよいよ始まる彫刻刀を使った学習。自分の手で木を彫り、形を作り出す木彫りや版画は、とてもクリエイティブで楽しい活動です。 しかし、彫刻刀は刃物でもあるため、「うまく使えるかな?」「ケガをしないか心配…」と感じるお子様や保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな不安を解消し、小学校での彫刻刀の使い方を基本から丁寧に解説します。正しい使い方と安全のポイントをしっかりマスターして、図工の時間を思いっきり楽しみましょう!
彫刻刀とは?基本情報と種類
彫刻刀は、木や板を彫って作品を作るための道具です。小学校の授業で使う彫刻刀セットには、主に形の違う5本ほどの刃が入っています。それぞれの刃には得意な彫り方があり、使い分けることで様々な表現ができます。
学校でよく使われる基本的な彫刻刀の種類を見てみましょう。
切出し刀(きりだしとう)/印刀(いんとう):線を引くように彫ったり、細かい部分を仕上げたりするのに使います。右利き用と左利き用があります。
平刀(ひらとう):平らな刃で、広い面を削ったり、背景をならしたりするのに便利です。
丸刀(まるとう):刃先がU字に丸くなっていて、柔らかい線や溝を彫るのに使います。大きさの違う(大・小)が入っていることが多いです。
三角刀(さんかくとう):刃先がV字になっていて、細くてシャープな線を彫るのが得意です。
最近の彫刻刀は、持ち手が滑りにくいラバーグリップになっていたり、安全ガードが付いていたりと、小学生が安全に使いやすい工夫がされています。
彫刻刀の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてくださいね♪
彫刻刀の使い方:基本的な手順
彫刻刀を安全に、そして上手に使うためには、基本的な手順を守ることがとても大切です。
準備をしよう
彫刻刀セット
彫る板(版木など)
滑り止めシート
彫っている最中に思いがけない方向に板が動くと、彫刻刀の刃が手に当たってしまうなどの危険があるため、必ずしきましょう。

正しい持ち方
彫刻刀は鉛筆をにぎるように持ちます。
持つ位置は柄の真ん中よりも少し前(刃の側)の位置です。

正しい姿勢と彫る方向
イスに深く座り、良い姿勢で机に向かいます。
【最重要ポイント】彫刻刀の刃が進む方向には、絶対に手を置かないでください。 木版を抑える手は、必ず刃よりも後ろ(手前側)に置くようにしましょう。
種類別:丸刀、三角刀、平刀の使い方と使い分け
それぞれの彫刻刀の得意なことを知って、作品作りに活かしましょう。
平刀:広い面をうすく平らに彫ることができ、ボカしたような表現もできます。丸刀や三角刀で彫ったミゾの間をすき取るのにも便利です。

丸刀:人や動物の柔らかい曲線や、雲などを表現するのに向いています。広い面をザクザクと彫り進めるのにも使えます。

三角刀:髪の毛や動物の毛並みなど、細くて鋭い線を表現したい時にぴったりです。

彫るときは両手で支えながら動かしましょう。
彫り始めるときは刃を少し立てて、彫り終わりに向かってだんだんと刃を寝かせるようにして彫るときれいに彫れます。
※切出し刀のみ使い方が異なります。ページの後半で紹介します。
切出し刀(印刀)の使い方とその利点
印刀(いんとう)は、主に切出し刀のことを指します。その名の通り、ハンコ(印)のような細かい文字や模様を彫るのに非常に適しています。また、切出し刀であらかじめ輪郭に切れ込みを入れておくことで、他の彫刻刀で彫るときに歯止めになり、はみ出さずに彫ることができます。

切出し刀の技法は様々ありますが、1番基本的な彫り方は反対の手の親指で押す彫り方です。
親指は刃のすぐ上の柄の部分を押しましょう。
手前から前方へ、親指で押し出すようにして彫ります。

真っすぐ切り込みを入れたら、板を180度回転させて反対側からもう一度同じところを彫ると、細くするどい線を彫ることができます。
初心者が知っておくべき彫刻刀のコツ
ほんの少しのコツを知っているだけで、彫刻刀の使いやすさは格段にアップします。
力を入れすぎない:余計な力を入れると、滑って思わぬケガにつながります。少しずつ、ゆっくり彫り進めましょう。
最初は練習から:いきなり本番の板を彫るのが不安な場合は、かまぼこ板や、100円ショップで売っている木材、消しゴムはんこなどで練習するのがおすすめです。
刃物としての取り扱い注意点
彫刻刀は便利な道具ですが、同時に危険な刃物でもあります。以下のルールを必ず守りましょう。
刃先を人に向けない。
彫刻刀を持ったまま歩き回らない。
机から落とさないように、使わない彫刻刀はケースにしまう。
使い終わったら、布やブラシで木くずを拭き取り、必ずケースに収納する。
絶対に刃を直接手で触らない。
怪我を防ぐための作業環境
安全に作業するためには、環境づくりが何よりも重要です。
滑り止めシートを必ず敷く:彫っている最中に板が滑るのが、ケガの大きな原因です。板の下に滑り止めシートを敷くことで、板が安定し、両手でしっかりと道具と板を支えることができます。
机の上は整理整頓する:余計なものが置いてあると、作業の邪魔になったり、彫刻刀が転がったりする原因になります。
彫る方向に手を置かない:何度でも言いますが、これが一番大切です。刃の進む先には絶対に置かない癖をつけましょう。


彫刻刀の刃の先に手や体があると、万が一刃がすべったときにケガをしてしまう恐れがあります。
切出し刀の場合は手前に引く技法もありますが、彫刻刀の扱いになれていないうちは「手前から前方に向かって」彫ることを基本としましょう。
実際に作品を彫る際には、様々な方向の線や曲がった線を彫る場面が多くあります。そのときは無理に手や体をねじらずに、必ず板の方を回転させて、彫りやすい位置に置いてから彫りましょう。
まとめ|彫刻刀を使った制作の楽しさ
今回は、小学校で使う彫刻刀の基本的な使い方や安全のポイントについて解説しました。 最初は少し怖いかもしれませんが、正しい使い方を身につければ、彫刻刀は自分のアイデアを形にできる、最高のパートナーになります。木の香りを感じながら、少しずつ形が生まれてくる過程は、コンピューターゲームや動画鑑賞では味わえない、特別な達成感を与えてくれます。
ぜひ、この記事を参考にして、安全に楽しく彫刻刀を使いこなし、世界に一つだけの素敵な作品をたくさん作ってください。保護者の皆様は、お子様の力作をたくさん褒めてあげてくださいね!

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