2B・4B…HBは?なぜ鉛筆なのか?イマドキ小学生の鉛筆選び徹底分析!
- toyokyozai
- 6 時間前
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お子様の小学校入学を控え、たくさんの準備に追われていることと思います。
その中でも、毎日使う「鉛筆」の選び方について、「昔はHBだったのに、今は2Bが良いって聞くけど、どうして?」「そもそも鉛筆じゃなきゃダメなの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
ここでは、現代の小学生の鉛筆事情を徹底的に分析し、お子様に最適な一本を見つけるための情報をご紹介します。
小学生の鉛筆は「2B」が主流に!その理由と特徴を徹底解説

かつては「HB」が一般的だった小学生の鉛筆ですが、今や「2B」が主流となり、多くの小学校で推奨されています。その主な理由は、お子様の筆圧にあります。
筆圧の弱さへの対応: 特に小学校低学年のお子様は、まだ握力や運筆の力が弱く、筆圧が弱い傾向にあります。また昨今のタブレット学習などのデジタル教育の影響もあり、高学年でも筆圧が弱い子がいます。
濃く、なめらかに書ける: 2Bは芯が柔らかく、少ない力でも濃くはっきりとした文字を書くことができます。これにより、とめ、はね、はらいといった文字の基本を習得しやすくなります。
消しやすさ: 濃く書けても、2Bなどの芯の柔らかい鉛筆は比較的消しゴムで消しやすく、低学年の子が何度も書き直す際にも紙を傷めにくいというメリットがあります。
教育現場の変化: メーカー側の見解としても、鉛筆の使用が教育現場中心となってきた結果、書きやすさを重視した「2B」への移行が進んだという背景があります。
なぜ小学生には鉛筆が指定されるのか?学校の意図と背景
多くの小学校で、シャープペンシルではなく鉛筆の使用が指定されるのには、きちんとした理由と教育的な意図があります。
理由 | 詳細 |
運筆力の育成 | 鉛筆は、シャープペンシルの芯と比べて芯が太く、折れないように意識して書くことで、微妙な力の加減(筆圧コントロール)を学び、手首や指先の運動能力、集中力を養います。 |
正しい字の学習 | 鉛筆は芯が太く、「はね・とめ・はらい」など文字の基本的な技術を表現しやすいです。シャープペンシルの芯では細すぎて「はね・とめ・はらい」表現が難しく、先生の添削もしづらいです。 |
集中力の維持 | シャープペンシルは芯が折れやすく、その度に芯を出す作業で集中力が途切れたり、分解して遊んでしまう恐れもあります。 |
医学的根拠 | 鉛筆で字を書く動作は、手首・指・肩などにある多くの関節や筋肉が連動しており、鉛筆を使うことで、手のひらの支点となる小指球(しょうしきゅう)の発達を促すという医学的な見解もあります。小指球が発達すると、安定した書体につながります。 |
鉛筆の濃さ一覧&アルファベット・数字の意味まとめ
鉛筆に書かれているアルファベットと数字は、芯の硬度(硬さ)と濃さを表しています。

記号 | 意味 | 特徴 |
H | Hard(ハード:かたい) | 数字が大きいほど硬く、薄い。製図や細かい書き込みなどに使われる。 |
F | Firm(ファーム:しっかりした) | HBとHの中間の硬さ・濃さ。 |
HB | Hard Black | 標準的な硬さと濃さ。一般筆記に広く使われる。 |
B | Black(ブラック:黒い) | 数字が大きいほど柔らかく、濃い。小学生の学習やデッサンなどに使われる。 |
硬さの順は、10H(最も硬く薄い)⇒ H ⇒ F ⇒ HB ⇒ B ⇒ 10B(最も柔らかく濃い)となります。
学年別・小学生鉛筆の推奨濃さと選び方
筆圧や持ち方から考える鉛筆の濃さ
お子様の筆圧は個人差が大きいため、一般的な推奨にとらわれすぎず、実際に書いた文字の濃さを確認することが大切です。
筆圧が弱い・書き始めたばかりの子: 4B~2Bなど、柔らかく濃い芯を選びましょう。力を入れなくてもしっかりとした線が書けます。
筆圧が強い子: B~HBなど、少し硬めの芯も試してみましょう。濃い芯だと字が潰れたり、手が汚れやすくなることがあります。
「4B」「2B」は何歳・何年生まで?学年別オススメ解説
学年 | 濃さの目安 | 特徴とポイント |
年長〜小2 | 4B、2B | 握力・筆圧が弱いため、濃く柔らかい芯で運筆の練習を。学校から「2B」指定が多いので、まずは「2B」で。「4B」は更に筆圧が弱い子や、書き始めに最適。「6B」の需要も増えつつあります。 |
小3〜小4 | 2B、B | 筆圧が安定し、文字を書くことに慣れてくる時期。2Bよりやや硬い芯に移行しても良い。この時期に筆圧の個人差が大きく出るため、お子様に合う濃さを確認しましょう。 |
小5〜小6 | 2B、B、HB | 筆圧が大人に近くなり、HBも扱いやすくなります。ただし、HBだと薄く感じたり疲れたりする場合は濃い鉛筆を継続しても問題ありません。 |
失敗しない!小学生鉛筆の選び方とポイント
鉛筆の種類・メーカーによる特徴と選び方

形状: 六角軸が最も一般的で、指が正しい位置にフィットしやすくなっています。
鉛筆の正しい持ち方を覚える段階では、三角軸の鉛筆もおすすめです。軸の断面が広く、指にピッタリとフィットするため、自然に正しい持ち方が身につきます。
ただし、六角軸に比べて回転しながら持ちかえるという動作がしづらいため、慣れてきたら六角軸に切り替えるのもよいでしょう。
軸にすべり止め加工がされている鉛筆もあります。必要に応じて検討してみるのもよいでしょう。
メーカーごとの特徴や機能性鉛筆: 同じ「2B」でも、メーカーや商品シリーズによって芯の滑らかさや濃さ、折れにくさなどの「書き味」が異なります。
三菱鉛筆「ハイユニ」:書き味が滑らかな高級鉛筆です。書写の硬筆やデッサンにもおすすめです。
三菱鉛筆「ユニスター」:高級鉛筆よりも安価でありながら、それに近いなめらかな書き味です。
三菱鉛筆「ナノダイヤ」:同じ硬度でも10%濃くはっきりとなめらかに書くことができる、入学児童向けの鉛筆です。
トンボ「きれいに消えるかきかたえんぴつ」:濃く書いた字もさらっと消しやすい特殊成分配合の芯です。
名前書き・デザイン・キャラクター鉛筆の選び方
名前書き: 大量の鉛筆への名前書きは大変です。メーカーや文具店で利用できる名入れサービスを利用すると、きれいに仕上がります。特に小学校入学時は、周りの友達にも読めるよう「ひらがな」での名入れがおすすめです。
デザイン・キャラクター:
低学年: お気に入りのキャラクターやデザインは、お子様の学習意欲を高めます。
高学年: キャラクターものから、落ち着いたシンプルなデザインに移行する子が増えます。
注意点: 学校によっては華美な装飾やキャラクターを禁止している場合もあるため、事前に確認しておきましょう。シンプルなものが無難です。
入学準備で間違わない!入学祝いや卒園祝いにもオススメの鉛筆
入学準備で用意する際は、学校の指定(濃さや本数)を最優先しましょう。
入学時の鉄板アイテム:
「2B」の鉛筆(5本〜1ダース程度)、赤鉛筆(または赤青鉛筆)
入学祝い・卒園祝い:
実用的な名入れ鉛筆のセット(入学祝い用にギフト仕様になっている商品もあります。)
用途別の鉛筆の濃さ・選び方
書写の硬筆の授業にオススメの鉛筆とは
硬筆(鉛筆)の書写では、濃く、力強い線が求められます。
推奨濃さ: 4Bまたは6B。2B以上の濃い鉛筆を推奨。
ポイント:
適度に丸めた芯で書くと、滑らかな線が出しやすくなります。
芯が柔らかい方が筆圧が弱くても濃く書けるため、硬筆展などではより濃い鉛筆を選ぶ傾向があります。
埼玉県では「10B」を使う!?地域ごとの鉛筆事情
実は、地域によっては非常に濃い鉛筆が使われている特殊な例があります。
埼玉県の「10B」: 埼玉県では書写教育が盛んで、毎年「埼玉県硬筆中央展覧会」が開催されています。この硬筆展に向けて、三菱鉛筆が埼玉県民向けに「10B」の鉛筆を発売しました。
特徴: 10Bは三菱鉛筆の中で最も柔らかく濃い芯で、通常の鉛筆よりも芯が太く、筆のような力強い線が書けるのが特徴です。
これは、地域特有の教育文化から生まれた鉛筆であり、通常の学習用とは異なります。
まとめ:小学生に最適な鉛筆の選び方とチェックポイント
チェックポイント | 低学年(小1・2) | 高学年(小3〜) |
濃さ | 2Bを基本に、筆圧が弱ければ4Bも検討 | 2BやB、またはHBへ移行を検討 |
形状 | 六角軸が一般的。正しい持ち方の教育には三角軸もおすすめ。軸にすべり止め付きなど機能的な物もあります。 | 六角軸が一般的。 |
デザイン | 入学準備はシンプルなデザインが無難で間違いなし。学校のルールでOKであれば、かわいいキャラクターものを追加しても○ | 好みのデザインでモチベーションUP。シンプルでもパステルカラーやスポーツブランドなどおしゃれなデザインもあります。 |
重要 | 学校の指定がある場合はそれに従う。 | 成長に合わせて濃さ、硬さを変えてみて。 |
お子様の「書きやすさ」や「文字の見やすさ」を第一に考え、最適な鉛筆を選んであげてください。それが、学習の第一歩を気持ちよく踏み出すための大きな手助けとなるでしょう。

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